生徒から質問があったので,4回ほどに分けて高校物理に必要な微積分の一部を解説します.
難しいことを考えなければ,微分は曲線の傾き(変化率)を求める作業で,積分はその逆であることを思い出しましょう.例えると,微分は曲線の一部分を拡大する虫メガネで,積分は全体を俯瞰するドローンのカメラみたいなものです.
数Ⅲの教科書にも出てきますが,v=\lim_{\Delta t\to 0}\frac{\Delta x}{\Delta t}=\frac{dx}{dt},a=\lim_{\Delta t\to 0}\frac{\Delta v}{\Delta t}=\frac{dv}{dt}=\frac{d^2x}{dt^2}となることを思い出してください.
さて,x軸上を運動する,ある物体に力Fがはたらいて,物体が加速度aで運動しているとき,加速度はa=\frac{F}{m}です.しかし,どちら向きに進んでいるのか分かりません.そこで,
\frac{dv}{dt}=a
より,加速度aを時間tで両辺を積分してvを求めます.
v=\int a dt=at+C_1
C_1は積分定数です.さらに,位置を求めるために,
v=\frac{dx}{dt}=at+C_1
より時間tで両辺を積分すると,
x=\int v dt=\int at+C_1 dt=\frac{1}{2}at^2+C_1 t+C_2
となります.時刻0で物体の位置がx_0,速度がv_0だったとすると,
x=\frac{1}{2}at^2+v_0 t+x_0
というように,見慣れた公式になります.
このように,\frac{dv}{dt}=aや,\frac{dx}{dt}=at+C_1tのような傾きを表す式を微分方程式といい,微分方程式を解くことで,傾き(加速度)から全体像(速度や位置)が見つけられます.
ちなみに,物理では便利な記号があってv=\dot{x}=\frac{dx}{dt},a=\ddot{x}=\frac{d^2x}{dt^2}というように,時間で微分するときは,微分したい変数の上にドットを付けます.大学の先生の中には,高校を卒業したばかりの君たちに,容赦もせずにこのような記号を使う先生もいるので覚えておきましょう.
明日は運動方程式について説明します.
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