慣性力は身近な力ですが,扱いが難しい力です.慣性力は扱いが難しいので,物体の運動を考えるときには,地上に固定された静止した点から見た運動として表し,慣性力はあまり考えない方がよいように思います.しかし,慣性力を理解することで,問題が簡単に解けることがあります.
慣性力は,運動の3法則を支える慣性系には現れない力です.慣性系に対して加速度運動する座標系を非慣性系といいますが,非慣性系に現れる見かけの力が慣性力です.非慣性系の例は,動き出したり,止まったりするときの電車の中や,円運動の一部と見なせるようなカーブを曲がる車内などです.ここで重要なのは,慣性力は加速度運動する自動車の車内のような場所に現れる力であって,地上の静止した観測者には見えない力であるということです.
問題を解くときは,小問で導入がある場合がほとんどなので,問題をよく読んで慣性力を考えた方がよいのかどうか判断してください.
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