運動方程式は,必ず1つの物体に1つ立てるようにしましょう.また力を見落とさないように,図中に力を書き込んで考えるようにしましょう.おそらく,これだけでミスが減らせると思います.運動方程式を立てることは,等速円運動や単振動を考えるときにも必要です.これまでの共通テスト(センター試験)では運動方程式を選択させる問題出題されているので,記述対策用の問題集で運動方程式を立てる練習をすることも有効です.
v-tグラフから力を読み取るような問題では,$m{\bf a}={\bf F}$を思い出してください.加速度運動という言葉から2次曲線をイメージして,安易に2次曲線のグラフを選択しないようにしてください.
慣性力を問う問題も多く出題されています.定量的にも定性的にも考えられるようにしておきましょう.また,急ブレーキをかけた車内で体はどの方向へ動くかというような,日頃体験しているような感覚も大切にしてください.一方で,水中で浮く物体のような場合は,問題となる物体と物体を取り巻く周囲の物質の慣性に注目する必要があります.注意してください.
斜方投射のような鉛直面内の落体の運動では,運動する物体から投射したり,高さの異なる位置へ投射したりというような条件があることが多いので,問題文をよく読んで条件を読み取るようにしましょう.また,速度を成分に分けて考えることは,電場や磁場中での荷電粒子の運動を考えるときでも必要です.成分表示の考え方を整理しておきましょう.
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落ち着いて考えれば決して難しい問題ではありません.自信のない人は手元の問題集の基本例題を見直してください.
2020年度センター試験本試第4問B4:ばねで連結された2物体の自由落下.不安になったら運動方程式を立てて考えましょう.
2020年度センター試験追試第1問5:v-tグラフから慣性力を読み取る問題.慣性力の向きに気をつけましょう.
2021年度共通テスト本試第1問1:慣性力と物体の運動.上の問題と同様に,慣性力の向きに気をつけましょう.
2021年度共通テスト本試第4問1:斜方投射された物体の高さによる速度の向き.どの成分が変化するのかということと,力学的エネルギーに注目しましょう.
2022年度共通テスト本試第2問:力学台車を用いた実験.問1では,$F=ma$と$v=at$をイメージしましょう.
2022年度共通テスト追試第1問2:力のつりあいと慣性力.向きに気をつけることと,慣性力を正しく分解するようにしましょう.
2022年度共通テスト追試第2問:落下する物体と糸の張力.終端速度に達すると一定の速さになるので,慣性力がはたらかないことに注意しましょう.
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