光の反射や屈折,分散,散乱,偏光(偏波)などの現象を理解するとともに,具体例をいくつか確認しておきましょう.フィゾーの実験のような光速の測定を扱う問題も頻出問題です.
光の屈折を考えるために,屈折率の定義を確認しましょう.光の屈折で1番問題になるのは全反射です.屈折率の大きい媒質を進む波が,小さい媒質との境界面で反射するときに全反射が起こります.また屈折率の異なる面で光が反射するとき,自由端反射をするのか,固定端反射するのかも問題になります.光はどの媒質からどの媒質へ進むのか注目しましょう.
光の波長が大きいほど,光は大きく回折します.反対に光の波長が短いほど,光は大きく屈折します.回折についてはホイヘンスの原理で説明できますが,屈折については説明が難しいので,虹などの現象の説明とあわせて覚えておきましょう.
上の動画で説明しているヤングの実験だけではなく,回折格子,薄膜,ニュートンリング,くさび型空気層,マイケルソン干渉計など,光の干渉を扱う問題は,共通テストでは毎年のように出題されています.どの部分が距離の差になるのか,薄膜のような異なる媒質に侵入するときは光路長(光学距離)を考える必要はあるか,反射をともなう場合は自由端反射か固定端反射かに注意して問題を解いてください.
レンズや鏡でできる像の位置を作図する方法を確認してください.基本的に簡単な問題ばかりなので,間違えないようにしましょう.作図をすることで,凸レンズや鏡によりスクリーンに映る像を問う問題も考えやすくなります.また,点光源から出た光がレンズによりどのように進むかを問う問題がありますが,このような問題では点光源の位置に集まる光を考えることで正解を導くことができます.波面と波の進行方向が垂直である点も思い出しましょう.
この分野のまとめと確認テスト
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光の屈折の問題はたびたび出題されています.水の深さによる水の波の屈折や,音の反射などを手元の問題集で復習しておきましょう.
共通テストでは情報処理能力も必要なので,小問1題あたり2〜3分くらいを目安に解いてください.なお,問題のリンク先は大学入試センターです.
2022年度共通テスト本試験第1問2・正解:レンズでできる像に関する問題
2022年度共通テスト追試験第4問・正解:X線回折,光の回折を思い出しながら解きましょう.
2023年度共通テスト追試 第1問5・正解:水中の物体の見かけの深さに関する問題.基本例題を疎かにしないこと.
2024年度共通テスト本試第1問3・正解:水,空気,ガラスの屈折率の関係に注目してください.
2024年度共通テスト追試第1問3・正解:$d\sin\theta=m\lambda$ を思い出して,どのような回折像が得られるか考えてください.
他に2021年度本試,2021年度追試に出題されています.
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