電磁誘導の問題では,力の向きと電流が流れる向き,電位が高いのはどちらかに注意する必要があります.特に電位については,発電する部分の電流の流れだけで考えると間違えやすいので,発電する部分を電池だと考えて,回路に電流が流れ出す点に注目してください.また,回路中に電位の基準点や回路を流れる電流の向きが指定されていることも多いので注意してください.
電磁誘導の代表的な問題は,上の動画で扱っている2本の導体レール上の導体棒の運動を扱うものです.この問題から得られる $V=vBl$ は,共通テスト目前の今の時期であれば,公式として覚えておいて損はないと思います.電磁誘導の法則だけではなく,導体棒中の自由電子に注目してローレンツ力により考える場合もあるので確認しておきましょう.また,導体レールが斜めになっている場合や,導体棒におもりを着けて重力により運動させる場合があるので,これまで解いた問題を復習してください.
自己誘導により生じる起電力と,コイルに流す電流の変化を表すグラフを選択する問題もたびたび出題されています.手元の共通テスト問題集を復習しておきましょう.
電磁誘導を扱う問題では,速度や力,仕事率のような力学に関する量を問う問題や,グラフを選択する問題も出題されることが多いので,これまでに解いた記述問題集を見直して,考え方を確認してください.
交流では,交流の発生や交流を表す式,実効値,コイルのリアクタンス,コンデンサーのリアクタンス,電気振動などを問う問題が,センター試験では出題されていました.その中でも,交流の発生と実効値の扱い方を確認しておきましょう.また,交流の発生では流れる電流の向きに,交流を表す式では位相にそれぞれ気をつけるようにしましょう.
電磁誘導や交流は,ラジオなどの電波の受信やスピーカーのように,すでに利用されている技術について考察問題として出題されることも予想されるので,授業ノートや教科書のコラムなどを見直しておきましょう.
第1問の小問集合や,第2〜4問で関連する話題として問われることもあるので,電磁波の種類と性質についても,確認しておきましょう.
この分野のまとめと確認テスト
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電磁相互作用の問題は毎年のように出題されています.交流は勉強している人とそうでない人で差がつきやすいので,必ず確認しておきましょう.
共通テストでは情報処理能力も必要なので,小問1題あたり2〜3分くらいを目安に解いてください.なお,問題のリンク先は大学入試センターです.
2022年度共通テスト本試第3問・正解:磁石を付けた台車の運動とコイルに発生する誘導起電力.問2の16はコイルに発せいる誘導電流がつくる磁場の向きを考えれば良い.回路に影響を及ぼさないように,オシロスコープの内部抵抗は大きくしてある.18は $F=ma$ を考えると良い.問3は選択肢の2か5で迷う人が多いかもしれないが,図3の2つの誘導起電力の間隔が変わっていないことから,台車の速度が変化していないことを判断する.反対に,問5は台車の速さがだんだん速くなることから判断する.
2023年度共通テスト追試第2問・正解:スマートフォンの非接触式充電に関する問題.ファラデーの電磁誘導の法則に基づいて,正確に現象を把握しましょう.ダイオードの整流作用に気をつけること.
2024年度共通テスト本試第3問1・正解:図を見て,電流が力を受ける向きを読みとりましょう.
2024年度共通テスト追試第4問4,5・正解:問4では電流が流れる向きと,磁場中の電流が受ける力の向きは電流と磁場に垂直な方向であることに注意してください.問5では電流が磁場から受ける力のうち,半径に垂直な成分(接線方向の成分)が仕事を求めるのに必要な量です.後は $P=Fv$ より答えが得られます.
他には2021年度本試,2021年度追試で出題されています.
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