ここでは,いくつかの光の干渉の例を考えます.
ニュートンが研究したことからニュートンリング(ニュートン環)とよばれています. ニュートンは光は粒子であると主張していたので,この現象を説明するのに苦慮したそうです.
入試問題では,レンズと平板ガラスの間に液体を入れたり,レンズを持ち上げて平行板ガラスとの距離を変えたりと,設定を変えて出題されることも多いので,テキストの演習問題にも取り組んでください.
図ではくさび型空気層の部分が随分大きいように感じますが,実際の空気層の厚みは,たわまない2枚の20cmくらいのガラスを重ね,一端に紙をはさんだくらいのわずかな隙間です.
くさび型空気層による光の干渉は,三角形の辺の比に注目すれば,光路差を求めることはそれほど難しいことではありません.しかし,光はガラスの面で反射するときに固定端反射をするので,位相が $\pi$ ずれます.この点に注意しましょう.
マイケルソン干渉計はアインシュタインの特殊相対論発見につながる実験を行った装置です.また近年は,重力波検出にも利用されました.
実験装置の物理学的な意義も深いので,大学入試でもときどき取り扱われます.経路を変化させたり,経路にガラスなどの屈折率の異なる媒質を置いたりする問題が定番です.光路差に気をつけて問題を解いてください.
単スリットによる光の回折は,日常生活の中で感じることのある現象です.例えば,カーテンに空いた小さな穴から漏れた光が色づくような場合です.問題を解くときは,単スリットを通過した光が強めあったり,弱めあったりする様子をイメージしにくい人もいるので,1回演習しておくと良いと思います.
テキストではピンホール現象の説明もしています.共通テスト(センター試験)に出題されたこともあるので,読んで内容を確認しておきましょう.
レーザーについては,仕組みを確認しておきましょう.特に,ある波長の光をどのようにして同位相の光として取り出すかについて考えてください.特定の波長の光を発生する原理は,半導体や原子の分野で説明します.大学入試では,光の干渉の考察問題として出題されることもあるので理解を深めておきましょう.
詳しい説明は下のテキストを参考にしてください.また内容の理解ができたら,ワークブックに取り組んで,自分の言葉で説明したり,例題を解いたりしてください.
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