直流回路の問題では,各点の電位を考えることが重要です.そのために,まず直列接続か並列接続か確認しましょう.次に回路のある点を$0V$(アース)として考えると分かりやすくなります.キルヒホッフの法則そのものを使って解く問題はそれほど多く出題されていませんが,回路に流れる電流と各点の電位を考えるときに助けになるので,キルヒホッフの法則への理解を深めておきましょう.また,回路の対称性を考えることで簡単に解ける問題も多いので,これまでに解いた問題を見直すことも非常に有効です.
ホイートストン・ブリッジやメートルブリッジも頻出問題です.また,回路中にホイートストンブリッジが潜んでいることもあるので気をつけましょう.メートルブリッジの問題などで,抵抗値を変化させたときに電流がどちら向きに流れるかを問われることがあります.このような場合は,抵抗値を極端に大きく変化させたり,0にしたりして考えると分かりやすくなります.
非直線抵抗の問題も確認しておきましょう.非直線抵抗の代表例は電球やダイオードです.性質を理解するために,なぜ抵抗値が変化するのか説明できるようにしておきましょう. また,非直線抵抗の両端の電圧に注目しましょう.
コンデンサーを含む直流回路は「第15回 コンデンサー」を参考にしてください.
この分野のまとめと確認テスト
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これまでコンデンサーと組み合わせた問題がよく出題されています.自信のない人は基本問題程度の問題や,国公立大学2次試験のような記述問題を見直しましょう.
共通テストでは情報処理能力も必要なので,小問1題あたり2〜3分くらいを目安に解いてください.なお,問題のリンク先は大学入試センターです.
2022年度共通テスト追試第1問3・正解:メートルブリッジ(ホイートストンブリッジ).抵抗が長さに比例することと,ホイートストンブリッジに気付けば間違えることはない.うっかり $\frac{R_2}{R_1}$ を求めないように注意すること.
2023年度共通テスト追試第2問2,3・正解:スマートフォンの非接触式充電に関する問題.ダイオードの整流作用に気をつけて問題を解くこと.
2024年度共通テスト本試第4問3,5・正解:電流密度と電場の関係 $i=\sigma E$ を理解していると解きやすい問題です.オームの法則 $V=RI$ の抵抗 $R$ を,抵抗率 $\rho$ を用いて丁寧に計算しましょう.
2024年度共通テスト追試第4問2,3・正解:同値の抵抗を2つつないでいる見なして,式を立てて考えてください.手回し発電機を同じ速さで回すという表現から,どちらの場合も電圧は等しいことを読み取りましょう.$P=IV=\frac{V^2}{R}$ で考えるとわかりやすいと思います.
他には2021年度本試,2021年度追試で出題されています.
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