質問があったので,『セミナー物理』発展例題30の(2),(3)について解説します.
波の式$y=A\sin (\omega t -kx+\delta )$に必要な量,振幅$A$,角速度$\omega=\frac{2\pi}{T}$,波数$k=\frac{2\pi}{\lambda}$,初期位相$\delta$を求めましょう.
まず,振幅$A=2.0\rm m$,波長$\lambda =16\rm m$が図から読み取れます.また,実線の波が$t=0\rm s$での波形で,破線が$t=0.10\rm s$での波形なので,$0.10\rm s$間に$x$軸正方向に$2.0\rm m$進むことから波の速さは$v=20\rm m/s$です.したがって,$v=f\lambda=\frac{\lambda}{T}$より周期は$T=0.80\rm s$です.
$t=0\rm s$から$t=0.10\rm s$の間に,波は$y$軸上を負方向に移動します.単振動を思い出すと,このことは角度$\pi$の位置から円周上を移動することを表しているので,初期位相は$\delta=\pi$です.
したがって,波の式は
$y=2.0\sin (\frac{2\pi}{0.80}t-\frac{2\pi}{16}x+\pi)$
$y=-2.0\sin (2.5t-\frac{\pi}{8}x)$
と表されます.
(2)$t=0$の波の式は,上で求めた波の式に$t=0$を代入して,
$y=2.0\sin \frac{\pi}{8}x$
(3)$x=0$を代入して,
$y=-2.0\sin 2.5\pi t$
(2),(3)は波の式が書けたら,要求された値を単純に代入するだけです.それでは学年末考査に向けてがんばってください.
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