考査対策でも触れましたが,導体(金属)と誘電体の違いについて確認しておきましょう.
金属内部の原子は電子の一部を自由電子として放出して,陽イオンとして存在します.この陽イオンと自由電子の間にはたらくクーロン力により,金属は結合しています.ここで,金属原子の全ての電子が自由電子として存在しているわけではないので注意してください.
金属内部,あるいは接触している金属間を自由電子は移動することができます.金属に外部から電場を加えると,自由電子が移動することで表面に電荷が現れます.これを静電誘導といいます.外部から加えた電場による自由電子の移動は,いつまでも続くわけではなく,金属全体が等電位になったところで自由電子の移動は終わります.
誘電体を構成する原子(イオン)の電子は,原子内部に束縛されており,自由に移動することはできません.誘電体には自由電子がないだけで電子は存在するので,自由電子と電子の言葉の使い分けに注意しましょう.誘電体に外部から電場を加えると,原子内部で電荷の偏り(正負のペア)が生じるので表面に電荷が現れます.これを誘電分極といいます.
コンデンサーを考えるときにも,物質の電気的な性質は重要になるので,ミクロな視点で現象を説明できるように,想像力を働かせて考える習慣を身につけましょう.
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