まずは電流の定義を押さえましょう.その後は,オームの法則やジュール熱を自由電子の運動に注目して力学的に導く理論(Free Electron Model)を確認してください.大学入試では,それぞれの導出過程が出題されます.
直流回路に関する問題は,各点の電位を考えることが重要です.回路のある点をアースすると考えやすくなります.特にコンデンサーを含む回路では電位と電荷の移動に注目しましょう.
キルヒホッフの法則により連立方程式を解く問題は,それほど多く出題されませんが,「回路のある点に流れ込む電流と流れ出す電流の和は等しい」や「回路のある1周の電位差は0」を考えることは必要です.また,回路の一部がホイートストンブリッジになっていることもあるので注意しましょう.
回路中に電池や電流計などが含まれる場合は,問題文をよく読んで内部抵抗の有無を確認しましょう.分流器や倍率器について考えることも,直流回路の問題に慣れるためには有効です.
非直線抵抗の問題ではI-V曲線の見方,使い方を確認しておきましょう.オームの法則に従わない理由を記述させる問題もよく出題されるので,メカニズムを理解するとともに,陽イオンの熱振動などのキーワードを上手に使って説明できるようにしておきましょう.また,半導体の性質を理解した上で,ダイオードの仕組みや性質を確認しましょう.ダイオードの両端の電位に注目して解き進めることが重要です.
それでは合格目指してがんばりましょう!
*『2022物理重要問題集』15「直流回路」に集録されている問題のうち,111,112,115,116,119が代表的な問題です.111はFree Electron Modelの問題です.112はどの部分がホイートストンブリッジになっているか考えましょう.115はコンデンサーの両端の電位に注目します.116は直列回路と並列回路の違いに気をつけましょう.119は内部抵抗を扱う典型的な問題です.こちらの動画を参考にしてください.直流回路の問題を苦手にする人は結構多いと思います.コツがつかめるまで,できるだけ多くの問題を解いてください.
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