まず上の動画で電場と電位の関係について確認しましょう.また,「$外力が+1\rm C$の電荷に対して$1\rm J$の仕事をするときの電位差を$1\rm V$とする」という定義を思い出しましょう.この定義から自然と$W=qV$が導かれます.なお,$V=Ed$の公式が利用できるのは,極板が平行であるような場合の,一様な電場中だけなので注意してください.
電気力線と等電位面,磁力線の違いを問う問題もこれまで多く出題されています.電場と等電位面の関係は,勾配(傾き)と等高線の関係に例えられます.電場と電気力線は同じものと見なすことができるので,等電位面と電気力線は直交することに注意しましょう.また,電気力線は正電荷から出て負電荷に入っていきます.この点にも注目してください.反対に,磁力線はループを描くことに注意しましょう.紙面に垂直な無限に長い直線電流がつくる磁場を考えるときは,直線電流を中心とした円を描いて,注目する点での接線を書くとかりやすいと思います.
電場がする仕事は,共通テストでは等電位面や電位が書かれた図から読み取る問題たびたび出題されます.今考えている粒子が正電荷か負電荷に注目しましょう.また,$W=qV$を使ってシンプルに解く問題もありますが,電位差$\Delta V$を考えるのか,電位$V$を考えるのか見極めてください.
電場から受ける力やローレンツ力による荷電粒子の運動を力学的に考える問題も頻出です.運動方程式を立てて考えるので,自信のない人はホール効果やサイクロトロン,ベータトロン,J.J.トムソンの実験などを解いておくといいと思います.
それでは共通テストまであと6日です.がんばってください.
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電場と電位や,電場から受ける力,ローレンツ力に関する問題は毎年のように出題されています.共通テスト直前ですが,電場や磁場に関する定義,公式の意味を確認してください.また,単位についても確認しておきましょう.選択肢の中には,次元がまるっきり異なる解答も用意されています.
2019年度センター試験本試第1問2:点電荷が作る電場を正しく理解しているかを問う問題
2020年度センター試験本試第1問2:2本の無限に長い直線電流がつくる磁力線
2020年度センター試験本試第2問A4:荷電粒子に対する電場がする仕事
2020年度センター試験追試第1問2:2つの点電荷がつくる電場
2020年度センター試験追試第4問B:電場と磁場による荷電粒子の運動
2021年度共通テスト本試第1問3:極板間の電位差と電場
2021年度共通テスト本試第4問B4:電場がする仕事
2021年度共通テスト追試第1問3:電気力線と仕事
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