気体の状態変化や循環過程に関する問題は,問題文をよく読んで状況を整理することが必要です.まず,「容器が断熱容器か,熱を通すのか」や,「気体が単原子分子理想気体かどうか」を確認しましょう.また,解答欄を見てから解答のあるべき姿をイメージして解く方法も有効です.
操作や気体の状態変化がよく分からないときは,少し時間はかかりますが表(表の書き方)を書くようにしましょう.表を見ながらどの量が一定で,どの量が変化するのかを判断して,ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いましょう.「温度が一定である」や「容器は断熱素材である」,「ピストンはなめらかに動くことができる」,「片方の容器は真空である」というような表現からどの量が一定なのか読み取るようにしましょう.
ピストンの質量を変えたり,水深により水圧を変化させたりする問題も,これまで多く出題されています.これらの問題では力のつりあいを考えなければなりません.問題によっては,大気圧を考慮しなければならない場合もあるので注意してください.
p-Vグラフにおいて,等温曲線は反比例のグラフです.気体が断熱変化をすると,等温曲線を横切るように変化することを確認しておきましょう.ポアソンの関係式 $pV^\gamma =constant$ が必要な場合もあるので,使いこなせるようになりましょう.
熱機関に熱を与えたときの気体の状態変化や,気体の内部エネルギーの変化,気体が外部にした仕事を問う問題は頻出です.小問であれば,あまり複雑な設定の問題は出題されることはありませんが,問題文をよく読み,p-Vグラフを正確に読み取るようにしましょう.大問であれば設定が複雑な問題も出題されると思います.上の動画を参考に,表を作って考えるようにしましょう.
基本的には熱力学第1法則を用いて考えますが,気体がした仕事 $W$ を正として,$Q=\Delta U+W$ と考えた方が解きやすいと思います.
また,熱力学第2法則により熱効率が1より小さいことも確認しておきましょう.熱効率を問う問題では,与えられた熱はいくらか,あるいは熱を与える過程はどこか,また正味の仕事はいくらかを考えるようにしましょう.
共通テスト(センター試験)では,摩擦力のした仕事を$W(<0)$とするというように,記号の中に符号を含める問題がよく出題されるので,循環過程の問題でも記号で量的な関係を示す問いでは注意しましょう.
気体分子の運動に注目して力学的に考えることで,圧力などの量やマクロな現象を説明する理論を気体分子運動論といいます.上の動画を参考に,気体分子の運動から圧力を与える式$p=\frac{Nm\overline{v^2}}{3V}$の導出方法を確認しておきましょう.
理想気体の分子の平均運動エネルギーが温度に比例することや,ボルツマン定数,理想気体の2乗平均速度,内部エネルギーなどの導出方法も1度見直しておきましょう.
この分野のまとめと確認テスト
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最初に書きましたが,気体の問題を解くときは,装置の操作や気体の状態変化,熱の出入りを整理することが重要です.あわてて問題を解こうとせずに,じっくりと問題を読んではじめの状態や量の変化を把握してください.分子運動論そのものが出題されることは少ないのですが,壁と衝突するときに分子が受ける力積のような,分子運動論の考え方が大問の中で問われる可能性があるので,考える手順を確認しておきましょう.
共通テストでは情報処理能力も必要なので,小問1題あたり2〜3分くらいを目安に解いてください.なお,問題のリンク先は大学入試センターです.
2024年度共通テスト本試第1問2・正解:余計な情報に惑わされずに,分子の平均運動エネルギーが温度に比例することを思い出しましょう.
2024年度共通テスト本試第2問2・正解:解答欄8は,あわてずに密度と体積,質量の関係を考えましょう.解答欄9は公式通りですが,$P=\frac{\Delta W}{\Delta t}=Fv$ から答えを導いてもいいと思います.
2024年度共通テスト追試第1問2・正解:気体の内部エネルギーが保存されることに注目しましょう.単原子分子理想気体なので,状態方程式より内部エネルギーを $U=\frac{3}{2}PV$ と表して考えると,簡単に解くことができます.
2024年度共通テスト追試第3問・正解:音速を題材にした問題.問1は状態方式を変形して考えてください.問3は,2乗平均速度を思い出しながら解きましょう.化学の知識が必要です.
2023年度共通テスト本試第1問2・正解:このサイクルでは,外部から仕事されていることに注意しましょう.
2023年度共通テスト追試第1問3・正解 :熱効率で考える仕事は「正味のした仕事」(p-Vグラフではサイクルで囲まれた部分)です.
2022年度共通テスト本試第1問4:それぞれの状態での内部エネルギーの大きさの比較.表が書ければ楽勝.
2022年度共通テスト追試大問3:ゴムの伸び縮みを熱力学を用いて考える問題.等温変化と断熱変化の違いに注目すること.また,pVグラフの読み方にも慣れておくように.
2021年度共通テスト本試第1問5:等温変化と断熱変化の問題.等温変化と断熱変化のp-V曲線の違いを読み取りましょう.(カ)は気体がした仕事は曲線と横軸に囲まれた面積である(積分のセンスで!)

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