まず運動量はベクトルであることを思い出しましょう.運動量を変化させる量である力積もまたベクトルです.ベクトルなので成分に分けて,各成分ごとの量が保存するということを考えることもできます.あわてて,スカラーである運動エネルギーと混同しないように気をつけてください.また,与えられた量が速さか速度かをきちんと読み取りましょう.
運動量保存則が成り立つ条件は,系に内力しかはたらかない(あるいは作用している外力が仕事をしない)です.問題文を読んでポイントを逃さないようにしましょう.
物体がなめらかな面ではね返るとき,速度が変化するのは面に対する法線方向のみです.この点にも注意しましょう.
よいトレーニングなので,上の動画で扱っている速度交換も導出できるようにしておきましょう.また,問題文から速度交換が起こる条件(同質量,弾性衝突)を読み取れるようになりましょう.
この分野のまとめと確認テスト
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運動エネルギーとの違いを問う問題がたびたび出題されています.また,衝突後の運動の向きや力積の向きなどを問う問題も多く出題されています.自信がない人は問題集の基本例題程度の問題も見直しておきましょう.
2022年度共通テスト本試第2問4・正解:運動量と力積の関係 $p=F\Delta t$ から,運動量 $p$ と時間 $\Delta t$ が比例することと,力の大きさ $F$ が一定なので傾きが同じになることに気付きましょう.
2022年度共通テスト本試第2問5・正解:運動量はベクトルなので,成分ごとに運動量保存則が成り立ちます.打ち上げられた小球の,速度の水平成分を見落とさないようにしましょう.力学的エネルギー保存則を考えるためには,弾性エネルギーと,打ち上げられた小球の速さを $\sqrt{V^2+v_1^2}$とすることが必要です.
2022年度共通テスト本試第2問6・正解:運動量はベクトルであること,力学的エネルギー保存則が成り立つ条件を思い出しましょう.
2022年度共通テスト追試第1問1・正解:運動量保存則を表す式を立てて,丁寧に計算すれば間違えないと思います.うっかり $\frac{m_B}{m_A}$ を求めないように気をつけてください.
2023年度共通テスト本試第1問3・正解:そりが固定されている場合は,外力がはたらいていることに注意してください.
2024年度共通テスト本試第2問4・正解:$\Delta v$ ,$u$ が速さである点に注意しましょう.また,あわてて力学的エネルギーを表す式を選択しないようにしましょう.
2024年度共通テスト本試第2問5・正解:運動方程式を立てて考えても良いのですが,運動量と力積の関係で考えると,簡単に解くことができます.
2024年度共通テスト追試第2問3・正解:運動量保存則でも,はね返り係数を求める式を用いてもかまいませんが,向き(符号)に気をつけてください.
2024年度共通テスト追試第2問4・正解:床との衝突も,小球同士の衝突も弾性衝突なので,力学的エネルギーは保存されます.ただし,問3よりBの運動エネルギーはAとの衝突により変化する(大きくなる)ことに注意してください.
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