【共通テスト物理】第3回 仕事・エネルギーと運動量保存則の攻略ポイント
共通テストの物理において,「仕事と力学的エネルギー保存則」および「運動量保存則」は,単独での出題はもちろん,電磁気や原子分野との融合問題としても毎年のように出題される最重要テーマです.
「公式は覚えているのに,問題になるとエネルギー保存則と運動量保存則のどちらを使えばいいか分からない…」と悩む受験生も少なくありません.
この記事では,共通テスト特有の定性問題や思考力問題を素早く・正確に解くための着眼点を整理します.
1. エネルギー保存則と運動量保存則の使い分け
最も重要なのは,非保存力(摩擦力や抵抗力など)や内力がはたらく状況で,「どの保存則が成立するのか」を一瞬で見極めることです.
力学的エネルギー保存則が成り立つ条件
重力・バネの力(保存力)のみが仕事をする場合.
動摩擦力や空気抵抗などの非保存力が仕事をする場合,その仕事の分だけ力学的エネルギーが変化(減少)します.
運動量保存則が成り立つ条件
注目する物体系全体(システム)に外力がはたらいていない(または外力の撃力が無視できる)場合.
2物体の衝突・分裂・合体では,非保存力が働いてエネルギーが熱として失われていても,外力がなければ運動量は保存されます.
💡 共通テスト時短テクニック 衝突や分裂の直前・直後を扱うときは,まず**「運動量保存則」**を立てるのが鉄則です.エネルギー損失(非弾性衝突)が絡む場合は,反発係数(はねかえり係数) $e$ の式と連動させて処理しましょう.
2. 共通テストで差がつく!「グラフ選択」と「仕事」の定性理解
近年の共通テストでは,単なる数式処理ではなく「 $F-x$ グラフ(力と位置のグラフ)」や「 $v-t$ グラフ」から仕事やエネルギーの変化を読み取る問題が頻出しています.
$F-x$ グラフの面積 = 力がした「仕事」
力 $F$が一定でない場合(バネの力や抵抗力など)でも, $F-x$ グラフの下線部の面積がそのまま「仕事 $W$」を表します.
位置エネルギー(ポテンシャルエネルギー)のグラフの傾き
位置エネルギー $U(x)$ のグラフにおいて,傾きにマイナスをつけたものが受ける力 $\boldsymbol F$( -$\frac{U(x)}{\Delta x}$ )になります.グラフの極小値が「安定な力学的平衡点」になる定性的な理解をしておきましょう.
3. この分野の解法チェックリスト
問題を解き進める際は,以下のステップを意識してください.
注目する物体(または2物体)を囲み,はたらく外力と内力をすべて図示する.
非保存力が仕事をしていないか確認する(仕事をしているなら「始状態のエネルギー + 仕事 = 終状態のエネルギー」).
衝突・分裂の瞬間であれば,外力の有無を確認して「運動量保存則」を立式する.
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